2026サッカーワールドカップが間近に迫る中、Particleworksを用いて、シミュレーションを通じて、フリーキックの最も壮観な1点を振り返ってみましょう。
1997年のフランス対ブラジルの親善試合で、ブラジル代表のロベルト・カルロスが放ったフリーキックは、ゴールキーパーをはじめ、多くの人の度肝を抜いました。当時、試合を生観戦していた少年の私でさえも、そのカーブに言葉を失いました。
当時はなぜボールがあのカーブを描くのか分からなかったが、今ではそれがマグヌス効果によるものだと分かっています。これから詳しく見ていきましょう。
COLUMN
技術コラム
【粒子法】vol.45 新機能! 空気を視覚化する別の方法~ 気流の流線~
魔球の背後にある科学
回転する物体が流体中を移動する際、その直進経路から逸脱するのは、回転体によって生じた速度変化の結果として流体内に発生する圧力差によるものである。
マグナス効果は、1852年にドイツの物理学者ハインリヒ・グスタフ・マグナスが初めてこの現象を体系的に研究したことに由来する名称であり、ベルヌーイの定理の特殊な現れである→流体の速度が増加する点では流体圧力が低下します。
空中で回転するボールの場合、回転するボールは周囲の空気の一部を引きずりながら進みます。ボールの側面が空気中(ボールの進行方向)に回転する際に生じる抗力は気流を減速させる一方、反対側では気流が増加します。気流が減速する側の圧力が高まると、ボールは反対側の低圧領域へと押し出されます。

解析結果(気流の流線)
Particleworksでフリーキック中のボールの挙動を再現することができました。ボールの最高速度は100 km/hを超えたとされており、ボールの回転数が約10回転/秒だったらしいです。
次のアニメーションでは、ボールがゴールへ向かう途中で回転する際に発生する現象を詳細に見ることができます。
左側では、ボールに何の効果も与えずに移動するケースです。ボールに曲げを加えない場合、両側の速度は同じであり、軌道は直線であることが明らかです。
ボールにカーブをかける際(魔球)、ボールの進行方向に向かって回転する側(遅い)と、風の流れに沿って回転する反対側(速い)との速度差が見られます。
前述のように、この差はベルヌーイの定理に従い、空気の流れが弱い領域で圧力が大きくなるため、ボールは圧力が高い領域から低い方向へと移動します。
Particleworks version 8.2.0では、分析において気流の流線を確認できるようになりました。このオプションを有効にするには、単に「気流の流線」オプションを選択し、方向、長さ、流線数などのオプションを選択するだけとなります。
それでは、気流の流線を用いてこの現象を見てみましょう


左側の画像では、ボールが曲がらない際に流線が示され、右側の方は回転している状態の流線です。 色は速度の違いを示しており(赤:速い、青:遅い)、実際に速度の低い領域が見られます。その領域ではより大きな圧力が生じ、ボールが黄色の矢印が示す方向に向かって移動します。
おわりに
Particleworks version 8.2.0では、シミュレーション内の気流の詳細を可視化するためにこの機能を追加されましたので、是非、解析にご利用ください!
[From J. Villegas]
使用したソフトウェア(Particleworks)
・流体解析ソフトウェアParticleworks(パーティクルワークス)製品ページ
https://www.sbd.jp/products/flow/particleworks.html
第1・第3木曜日配信!
SBDメールマガジンより、
最新の技術コラムをお届けします。
Analysis Case
解析事例
Analysis Case
解析事例
解析事例
Topics
トピックス
イベント・セミナー
シミュレーションに関するイベント・セミナー情報をお届けいたします。
2025年12月05日
iGRAF Product Introduction Webinar (Fully in English/全編英語配信)
2025年11月17日
2025年11月13日
トレーニング
SBD製品各種の操作トレーニングを開催しております。
2022年11月02日
2022年03月04日
2022年03月04日
技術コラム
シミュレーションに関する基礎知識や、製品の技術的なノウハウが満載の技術コラムをお届けいたします。
2025年12月08日
2025年12月08日
2025年12月02日
Topics
トピックス
トピックス
イベント・セミナー
シミュレーションに関するイベント・セミナー情報をお届けいたします。
2025年12月05日
iGRAF Product Introduction Webinar (Fully in English/全編英語配信)
2025年11月17日
2025年11月13日
トレーニング
SBD製品各種の操作トレーニングを開催しております。
2022年11月02日
2022年03月04日
2022年03月04日
技術コラム
シミュレーションに関する基礎知識や、製品の技術的なノウハウが満載の技術コラムをお届けいたします。
2025年12月08日
2025年12月08日
2025年12月02日